SEOにおけるドメインの重要性

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SEOではドメインによって効果に違いが生じるという説があります。たとえば、ドメインエイジ(運営歴)やドメインの種類によって特定のサイトが優遇されるという話を聞いたことがあるかもしれません。それは本当なのでしょうか?

また、新たなドメインを取得する際は単語をハイフンで区切った方が良いとか、取得後はリダイレクトが必要だとか、ドメインに関する基本的なテクニックもあります。ここでは、SEOにおけるドメインの役割をまとめてみます。

SEOに効果を発揮するドメインの力とは

「ドメインパワー」という言葉を聞いたことがありませんか?ドメインが持っている力(サイトの評価)のことです。ドメインパワーが大きいほど、そのサイトで書いた新たな記事は上位表示されやすくなるという考え方ですが、Googleは「ドメインパワー」のような単純な指標を持っていません。

その代わりにドメインの力を示す指標としてMozが「ドメインオーソリティ」を公開しています。SEOに直結する公的な指標ではありませんが、簡易的にドメインの力をチェックすることができます。

各ドメインのドメインオーソリティは以下のページでチェックできます。

Open Site Explorer: Link Research & Backlink Checker | Moz

たとえば、「https://www.yahoo.co.jp」のドメインオーソリティは100点中93点になっています。みなさんのサイトはいかがですか?

ドメインオーソリティをチェック
ドメインオーソリティをチェック

ドメインオーソリティのような指標はサイト内の各ページの総合評価です。ドメインの評価を上げるためトップページだけを見直している方がいますが、あまり意味がありません。投稿や固定ページを1ページずつ確実に作っていくことがドメインの評価アップにつながります。

作成するボリュームの目安が100ページなのかどうかは、みなさんの判断に任せますが、5ページほど作って「ドメインの評価を上げたい」とか「検索順位を上げたい」いうのは、かなり難しい話だと思った方が良いでしょう。

サイトコンテンツを充実させることがドメインパワーの向上につながります。

ドメイン名にキーワードが入っていた方が有利?

ドメイン名に検索キーワードが入っていた方が有利。これは都市伝説ではなく本当に効果があるようです。

ただし、Googleの担当者は「効果はあるが小さい」という説明だったと思います。裏付けとなる発言のページが見つからなかったので恐縮ですが。

個人的な感覚ではどちらとも言えません。「効果はあるが小さい」が的を射た説明だと思います。

そもそも当サイトは「www.nishi2002.com」です。ドメインには何の検索キーワードも入っていませんが上位表示されるページもありますし、サイトからの問い合わせや成約も発生しています。

ですから、ドメイン名を決めるときはSEOのことばかり考える必要はありません。

ドメインにキーワードを入れるときの注意

商標登録された名前は使えない

ドメインにキーワードを入れれば効果的とはいえ、商標登録された会社名や商品名などを含むドメインを取得すると問題になります。

【参考】ドメイン名を不正取得・使用された場合の対応方法 | EC法務ドットコム~弁護士が運営するIT法律サイト~

たとえば、「WordPress」は商標登録されているので「wordpress-kouza.com」のようなドメインは使えません。「SEOに効果があある」というだけでドメイン名にキーワードを入れるのは危険です。

「WordPress」は使用禁止?!なぜ?

有名サイトと酷似した「入力ミス狙い」のドメインはNG

商標登録された会社名や商品名がダメなら、1文字変えて「酷似した名前」で取得すれば良いのでは?と思い付いた方。「1文字違いでドメインを取得すれば入力ミスしたユーザーのアクセスが稼げるのでは?」と思ったかもしれませんが、甘いです。これは「タイポスクワッティング」とよばれ、非常に評判が悪いので止めましょう。

【参考】タイポスクワッティング - Wikipedia

商標登録された名前であれば、評判が悪いだけでなく法的な問題に発展する可能性もあるので「有名な会社名や商品名に酷似したドメイン名」にも注意が必要です。冗談半分で似たような独自ドメインを取得した方がいるかもしれませんが、使わない方が無難です。

“入力ミス“は自動修正されるので注意

有名サイトと酷似した独自ドメインを取得するデメリットはもう1つあります。検索キーワードの入力ミスは自動修正される可能性があります。たとえば、誰もが知っている「example.com」に酷似した「esample.com」で検索すると、example.comの入力ミスだと判断されてexample.comの検索結果が表示されます。

入力ミスが自動修正されて検索される
入力ミスが自動修正されて検索される

つまり、有名サイトに酷似したドメインを使っていると、キーワードの入力ミスだと判断されるかもしれません。結果として自分のサイトが検索結果に表示されず、あなたが気づかないところで有名サイトにアクセスが奪われてしまう恐れもあります。注意しましょう。

アメブロか独自ドメインか

サイトを運営する場合、独自でドメイン名を取得するか、アメブロなどでもらった無料URLを使うか、迷う人もいます。

ビジネスサイトを運営するなら無料ブログではなく独自ドメインを取得した方が良いでしょう。アメブロは商用利用に寛容ではないというのが定説です。どのように変わるかわからない利用規約の元で本気のビジネスブログを展開するのは少し怖いですよね。

それに、検索エンジンでは1ドメインが検索結果に出てくる件数を制限していると言われています。ですから、素晴らしいページを作っても他のユーザーとの兼ね合いで表示されない、そんな現象が発生します。

独自ドメインなら、そんな問題はありません。自分だけのドメインを取得すれば、自由にサイトを展開できて安心ですね。ムームードメインなら100円前後で取得できるドメインもありますよ。

ドメインの運営歴が長い方がSEO的に有利?

ドメインの運営歴のことを指して「ドメインエイジ」とよびます。昔はドメインエイジが長い方がSEO的に効果があるというのが定説だったので、古いドメインを買って新たなホームページを立ち上げることも流行しました。

現在はドメインエイジが長いというだけでプラスになることはないようです。Googleの担当者も発言しています。

【参考】サイト運営期間は大切?/「ドメイン年齢」につきGoogleコメント

取得して長い期間をかけてコンテンツを充実させてきたサイトは評価が高くなっていくのが一般的です。ですから「運営歴が長いドメイン=SEO的に有利」というイメージになるのでしょうが、ドメインエイジが長いだけで検索順位が優遇されることはないでしょう。

ただし、長く真面目に運営してきたドメインは評価されているはずなので気軽に手放すのはもったいないです。できれば使い続けた方がよいでしょう。さらに評価アップにつながります。

ドメイン変更時はリダイレクトが必須

ドメイン変更後の301リダイレクトで評価を引き継ぐ

ドメインを変更した場合、一般的には301リダイレクトが必須です。これは、古いURLにアクセスしてきたユーザーを自動的に新たなURLに転送する仕組みです。

ユーザーを転送するだけでなく検索エンジンのロボットにもURL変更を認識させることができます。

それにより、古いURLに付けられていた評価を新たなURLに引き継ぐことができます。

301リダイレクトの目的
  • 古いページにアクセスしたユーザーを新たなURLに転送する
  • 古いページに付いている評価を新たなページに引き継ぐ

評価の引き継ぎが完了するまでに数ヶ月かかる場合もあります。サイトのボリュームによっては想像以上に時間がかかる場合があるので、それを考慮したドメイン変更計画が必要です。

当サイト(www.nishi2002.com)も何度かドメインを変更したことがありますが、なかなか評価が引き継がれず、落ちていく検索順位とアクセス数に耐えきれずに元に戻した経緯があります。長い期間をかけて運営してきたドメインを変更するときは覚悟が必要です。

それはともかく、ドメインを変更したときはトップページに「ホームページのURLが変更になりました」とだけアナウンスするのは不十分です。SEO的に大きな損をするかもしれません。

301リダイレクトの方法について詳しくは以下のページも参考にしてください。

サイトリニューアル時の301リダイレクト、.htaccess記述方法いろいろ | デジ研

ドメイン変更後のリダイレクトが不要なケース

ドメインを変更しても301リダイレクトが不要なケースもあります。たとえば、古いドメインが何らかのペナルティを受けていて、その評価を引き継ぎたくない場合です。

このケースで301リダイレクトを設定すると悪い評価も引き継いでしまうので注意が必要です。

ドメインのネームサーバー変更でSEO的に影響が出る?

サイトのサーバーを移転するとネームサーバー変更によってサイトのIPアドレスが変更されます。それによって、SEO的に何らかの悪影響が出るかもと気になっている方がいるかもしれませんが、全く問題ないそうです。

「IPアドレスを変更したことで何か問題が起こったとは聞いたことがない。だからSEO的には何も心配しなくていい」とのことです。

【参考・引用】サーバー移転するときの注意点 ~ DNS編 | 海外SEO情報ブログ

ドメイン名を区切るのはハイフン?アンダーバー?

いくつかの単語を組み合わせたドメインを取得するとき、複数の単語をハイフンで区切るのかアンダーバーで区切るのか迷うことはありませんか?

どちらでも構わないのですが、個々の単語を認識してもらいたかったらハイフンで区切っておきましょう。

たとえば、
http://example_example.com/
ではなく
http://example-example.com/
が正解です。

サブドメインかサブフォルダか

1つのドメインの中に複数サイトを作る場合、サブドメイン(例:http://test.example.com/)で作る方法とサブフォルダ(例:http://example.com/test)で作る方法があります。

どちらがSEO的に効果的か議論が分かれるところです。昔はサブフォルダにした方がドメインのパワーを引き継ぐというのが定説でしたが、現在はどちらも同じように扱われているとのことです。

ただし、使い方の問題として、ドメインと同じようなテーマを使うサイトであればサブフォルダ、全く違うジャンルであればサブドメインが良いのかもしれません。

というのは、サイトのURLを入力ミスした場合、ルートサイトの「ページが見つかりません」が表示されるので、全く無関係っぽいサイトが表示されるとユーザーは違和感を持つかもしれません。特に、見られると困るサイトが親サイトに存在している場合は問題が起きるでしょう。

SEOで有利になるドメインの種類がある?

取得するドメインの種類もさまざまで「.com」「.jp」「.net」「.tokyo」など上げればキリがありませんが、気になるのはSEO効果です。

昔は「.comがSEO的に優遇される」のような噂を聞いたことがありますが、完全な都市伝説です。昔も今も、ドメインの種類による優遇はありません。

「新しい gTLD も他の gTLD(.com、.org など)と同じように処理されます。検索において、特定の TLD のキーワードが有利に働くことも不利に働くこともありません。」とのことです。

【引用】Google ウェブマスター向け公式ブログ: 新しいトップレベル ドメイン(gTLD)に対する Google での取り扱いについて

強いて言えば会社のサイトで「.co.jp」を使っていると信頼性が上がるとか「.yokohama」だと地域性があって親近感がわくのかもしれませんが、SEO的には関係ありません。

まとめ

以上、SEOにおけるドメインの役割についてまとめてみました。ドメインの効果については都市伝説的な話が少なくありませんし、「効果がある」といっても大きいというは思えない話もあります。

結局、ドメインの種類や運営歴に関係なくユーザーに役立つコンテンツが充実して評価が高いサイトの検索順位が上がる仕組みです。そのような教科書的なまとめで、この記事を締めたいと思います。

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